31章 もっと自由に
人は本来700万年にも及ぶ進化の過程で、もっと幸福に、もっと健康に、もっと豊かに生きてゆけるようにプログラムされています。それを実現するために最も必要なものといえばそれは「自由」です。
詳しくいえば、精神的な自由が確保されているときにこそ、自由な発想で色々な工夫と研究が可能になります。その時今までにない独創的で高度な発明を生むことが出来るものです。自動車も飛行機もコンピューターもケータイ電話もすべて、今までなかったものから新たに何かを生み出すには、どうしても自由な発想がなければなりません。
なぜこれらのものが発明されたかといえば、車や飛行機があれば自由にどこでも行くことが出来ます。コンピューターがあれば複雑な計算を自由にこなすことが出来ます。ケータイ電話があればいつどこにいても自由に相手と話すことが出来ます。インターネットを使えば世界中の情報を自由自在に手に入れることが出来ます。すべて進歩の根底には「人間は自由を求める」という大きな原動力があります。
それは単に物の進歩だけに留まりません。もっと大きな問題は、心が何物にも捉われない本当の自由を確保しているときにこそ、その人に備わっている能力や努力や個性溢れる人間性が表に現れるのです。それを現実の世界に現して、しかもそれによって他の多くの人々に愛と感動と喜びを与えられたとき、人は初めて本物の深い幸福を味わうことになります。それは魂を揺さぶるほどの熱い甘美な幸福感です。
たとえばあなたが心の中で家族の誰かにもっとこうして欲しいと思っているとしましょう。それが不平や不満で満たされていたら、あなたはイライラしながら毎日を過ごさなければなりません。するとあなたは自分から発するイライラ感で自分を縛ってしまい、決して幸せなど感じることは出来ないでしょう。
あなたが家族を心の中で縛るのをやめて、自由に解放してあげてみてください。「彼には彼の自由がある!私には私の自由がある!これからは彼を自由に解放してあげよう!飼い犬だって広い芝生で首輪をはずして解き放してあげれば、本当に嬉しそうに飛び回って幸福に満たされているではないか!彼をも自由にしてあげよう!」。そう思って本当に自由にしてあげてください。
そのようにしたとき本当に自由になれるのは、実はあなた自身なのです。自分が相手を心の中で必死に掴んで自分の思い通りにしようとしていては、自分の手を自由に使うことは出来ません。こうでなければならないとか、こうしなければいけないとかを、相手を自分の要求で縛りつけることは、自分を縛りつけることと同じことなのです。このことを理解してください。
人間は縛りつけられると苦しくなって、その苦しさを紛らすために悪いことをしたくなるものです。すべての悪癖は、この苦しさから自由になりたいがための逆行動なのです。自由を求めて、却って酒やタバコや薬物中毒に落ちるのはとても悲しい不幸なことです。その根本原因は、実にここにあります。
心が「イヤだ!」「嫌いだ!」「もうダメだ!」というようなマイナス感情に満たされると、その感情が心を縛りつけて不自由になります。するとそれが潜在意識に働いて、病気になったり、対人関係が悪化したり、仕事が順調に運ばなくなったりします。結局不幸の種を播くことになります。
ですから健康になりたい人は、幸福になりたい人は、対人関係を良くしたい人は、豊かに暮らしたい人は、まず家族や友人や会社の人たちやお客様などすべての周囲の人を心で縛らないでもっと自由にしてあげましょう。「あなたはあなたの自由にしていいのよ!」と、心からそう思い実行しましょう。そしてあなた自身をも自由にしてあげましょう。その成果はいつの日か必ず現れます。
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