37章 一人で悩まない
責任感の強い人はその良し悪しは別として、全責任を自分ひとりで背負い込んで考え込む傾向があります。それは失敗の責任を人になすりつけるよりははるかに良いのですが、それも度が過ぎると逆効果です。
実際私自身がその通りでした。問題がおきるたびに人にはあまり相談しないで、何とか自分の力だけで解決しようと常にあせっていました。それは今考えてみると私が子供の頃、父から「お前はグチも言わず、一人でよく頑張っていて偉い!」と褒められたことが原因のような気がします。元々生真面目でバカ正直な私は、融通がきかずこうしなければならならないと思うと、そのまま一直線に突っ走る猪突猛進型(ちょとつもうしんがた)人間の典型でした。それをみかねた友人から、「お前は固すぎるからもっと柔らかくなれ!」「もっと気楽に相談しろ!」と言われたものでした。
このような性格は物事がうまく運んでいるときは良いのですが、トラブルが発生した時は大変です。自分ひとりで考え込んでいるので「自分はもうだダメだ!」と一挙に奈落の底に落ちてしまい、そこから立ち上がるのは大変な苦労でした。今思うとこんな時は自分ひとりで悩んでいないで、もっと視野を広げて家族や友人先輩やその道の専門家等に相談して良い知恵を借りればすむ話でした。
高齢者を狙った振り込めサギや悪質リフォームサギも、自分ひとりで判断しないで家族や専門家に相談すればいくらでも防ぐことが出来ます。心の悩みや難病についても同じことが言えます。大昔の自給自足の時代ならいざ知らず、このように複雑になった社会で生きてゆくには、人と人とが互いに助け合って生きてゆく知恵が必要です。
人間は、人と人の間に愛と知恵があってはじめて人間として生きてゆくことができます。二本のたて棒が互いに支えあっているところに深い意味があります。一人で悩まないで、さりとて人に依存することもなく、互いに愛と思いやりの気持を忘れずに毎日を送りたいものです。
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