38章 表情が健康をつくり、また病気をつくる

 感情の動きと自律神経の働きには大きな関係があります。たとえば今日難しい試験の発表があるとしましょう。さあこれから発表という直前は、表情はこわばってこわい顔つきになります。この時交感神経は極度の緊張状態にあります。うまく合格できてとても嬉しかったとしたら、思わずニッコリ笑顔になるでしょう。するとホッとして肩の力が抜けてリラックス状態になります。しかし不合格だったとしたらがっかりして悲しい顔つきになりきます。思わず涙がこぼれるかもしれません。

 この状態は1日や2日なら何ということはありませ。しかしそれが毎日、何ヶ月も何年も続いてゆくとしたら、体に大きな影響が出ることは十分考えられます。しかもそれが習慣化してゆくときは、無意識に表情筋が反応して明るい性格、暗い性格にまで及んでしまうことさえあります。ちりも積もって山となり、ついには健康病気だけでなく幸不幸にまで影響を及ぼすようになります。


               
発表前          合格         不合格
自律神経緊張     リラックス       緊張

 このように見てみると、顔つきと自律神経は密接に関係しているということがわかります。そこで表情を訓練することで、自律神経を安定化する治療法を表情療法といいます。

 表情療法は薬を使わないで自律神経を安定化する安全性の高い優れた治療法です。自律神経の中の副交感神経は福交感神経といわれるくらい、健康を維持し抵抗力を強くし気力・体力を高めるには欠かせない神経系です。それは血行を良くし内臓の働きを活発にして自然治癒力を活性化しうつを吹き飛ばす効果さえもあります。笑う門には福来る、ということわざはこのことを表しています。

 表情から副交感神経を活性化する方法は簡単です。鏡を見てまゆを広げ、口元を少し開いてニッコリ笑います。たったこれだけのことであなたの健康状態が一変するとしたら、何と素晴らしいことではありませんか。

 ある女性のケースでは、うつに悩んでいてあちこちの医院病院をめぐり歩いて、お薬も山のように頂いて飲んでいました。それでも一向に改善する気配がありませんでした。しかしこの治療と東洋医学のお陰で半年あまりで良くなり今ではすっかりお薬も要らなくなり、安心生活を送ることができるようになりました。

 表情療法は1週間やってみればその効果が分かります。1日10回鏡を見てニッコリするだけで、1銭もかからない素晴らしい治療法です。さああなたも今日から始めてみませんか。

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