4章 病気は後からやってくる
 
 前章で気は生命エネルギーであり、私たちは働けば働くほどそのエネルギーを無限に増やすことができると述べました。ただしそれには条件があり、使った後はすみやかに充電して「気」エネルギーを十分に補充しておく必要があります。充電もせず消費ばかりでは、電池切れとなっていつか使用不能になることは誰にでも分かります。

 車ならガソリンが切れればすぐに動かなくなるので、少なくなったら早く給油しようとします。ところが人間はその進化の過程で、エネルギーが切れてもしばらくの間はそれまで通り動くことができるようになっています。それは預金の「自動借り越し」とういシステムに似ています。たとえば電気料の自動振り替えで料金が預金額より少なくなると、自動的に借金をして支払いを済ませておくというものです。

 これについては次のように考えられます。原始時代自分の身に危険が迫ってきた時に、もしエネルギー切れの状態で逃げられなければ滅びてしまいます。そこでたとえ危機のときでも一時的にエネルギーを自分の未来から前借りして、とにかく危険から逃れるというシステムを獲得したのだと思います。こうしたお陰で人類は現在の繁栄を得られたのです。

 しかし借りたエネルギーは必ず利子をつけて返済しなければなりません。この仕組みはローンと同じです。借金が多額になればなるほど、またその返済期間が長くなればなるほど、莫大な金額を返すはめになります。ところがそれを返しきれずにそのままにしておくと、後から一挙に多額の請求書が送られてきてついには返済不能になります。これが気の医学で考える病気のメカニズムです。

 病気は自分の一番守りの手薄なところから順番に現れます。肝臓が弱ければ肝臓病、腰が弱ければ腰痛、神経が敏感な人では自律神経失調症というようにどこにでも病気は出てきます。1ヶ所治しても、また次の弱いところめがけて病気が現れるのでいたちごっこになります。気・生命エネルギーを回復させないでいてただ局所的に治していても、その部位が変わるだけで病気状態には変わりません。

 休養もとらず健康管理もしない仕事三昧のモーレツ型の人間が、突然大病になって倒れたりするケースがよくあります。このような人生を「切り花型人生」と呼びます。今どんなに美しく咲いているように見えても、切り花はいつか必ず枯れてしまいます。このことから「病気は後からやってくる」という教訓が得られます。

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