6章 オキカエ理論
人が社会生活を営む上で、たったひとりで誰の世話にもならないで生きてゆくことはできません。両親がいて、家族親戚がいて、食べ物を作ってくれる人がいて、家を建ててくれる人がいて、着る物を縫ってくれる人がいて生活してゆけます。人が人を互いに支えあって生きてゆくので、人という字は2本の棒が支えあう形をしています。また複数の人がいるから、人の間と書いて人間となります。
しかし人は本来自然界の中では、動物の一種でもあります。ということは本能のままに生きてゆく動物の一面も併せ持っています。欲望と理性のハザマで、いかにより高い人間性を身につけてより良く生きるかの勉強をしているとも言えます。皆が弱肉強食の世界さながらに、自分の欲望をむき出しにしてエゴをぶつけていったら何と悲しい世界になってしまうことでしょう。
しかし人と人との間に「愛」という心の潤滑剤を注いだら、ゴツゴツしないでもっと楽に生きてゆけるのではないでしょうか。愛とは人を思いやる心、人を生かす心もちろん自分自身をも生かす心です。自分の中に愛の心を生じさせるためには、まず自分を相手と置き換える練習をしなければなりません。一度自分という立場を捨てて、自分を相手と置き換えて考えてみましょう。これは心理療法でいう「ロールプレイング」という訓練法です。
例をあげればAという商品の売上をもっと伸ばしたいと思うときです。セールスマンという立場を離れて、自分が消費者の立場で、BではなくCでもなく、Aを買いたくなるような、その良さをどう伝えるかを考えることが必要です。
自分ばかり中心の世界ではなく、いつも自分を相手に置き換えて、相手の立場に立って考えてくれる人、それがオキカエ理論の実践者であり、その人は必ずどの世界でも健康でかつ幸福になる最短距離にいます。