19章 マイナスの連鎖を断つには
良いことはなかなか少ないのに世の中悪いことは続けておきるもので、「泣きっ面にハチ」とはこのことを言い表しています。たとえば家族の誰かが病気になると、それを看病している人が次に病で倒れたという話をよく聞きます。
不幸の連鎖は共鳴の原理によります。昔学校の理科の授業で音叉の実験をしたことがあると思います。同じ振動数の音叉を二つ並べておいて一方を叩くと、他方の音叉が自然に鳴り出すというものです。何か良くないことがおきた時「イヤだなー」と強く思うと、共鳴現象でイヤな出来事の音叉が次々と鳴り出すというわけです。しかし普通の人はこれを無意識に行っているのです。ではこの連鎖を断ち切るにはどうすればよいのでしょうか。
それには不幸な出来事にあったとしても、不幸だイヤだという「気」をおこさないことです。振動数を変えれば共鳴はおこりませんから、逆にこれからは良くなる、ありがたいなーという「気」を強くおこせばよいのです。常に「ありがたい」という気持ですべてを受けてゆけば、次にはありがたい出来事がやってきます。継続は力なりで、毎日この訓練を続けることで、マイナスの連鎖は断ち切ることができます。
仕事上での実例をあげてマイナスの連鎖を断ち切る方法を説明してみましょう。今課長があなたに仕事上のことで厳しく叱責しています。しかしそのミスはあなたの責任ではなくて、前任者の不手際が原因だったのです。しかし課長は部長からこのところの業績不振を責められていた為に、虫の居所が悪くて思わずあなたに責任転嫁して暴言を吐いたのでした。かれは感情を抑えることができずにあなたに八つ当たりをしたのです。
さて、この理不尽な上司の態度に対する対応が重大問題です。この場合相手の怒りの感情に対して、こちらも怒りをもって対したくなるのは当然のことです。しかしそれでは怒りの連鎖反応がおきて、やがてあなたに生じた怒りの感情が誰か次の人にぶつけるまでは腹の虫が納まらなくなります。あなた自身も交感神経系が過剰に興奮していつまでも怒りの感情が持続するために、血圧は上がり血糖値も上がり血管は収縮して血流が低下します。それに従って内臓の働きも悪くなります。体はこわばり柔軟性を失いケガやミスがおこりやすくなります。この様なメカニズムでマイナスの連鎖がどんどん拡大してゆきます。すると人間はそれを忘れるために体に悪いことをするようになります。ストレスからの逃避行動が色々な問題を生じさせます。
ではどう対応することがよいのでしょうか。それはまず一旦相手の言い分を言いたいだけ言わせておき、それまではじっと冷静に待っていましょう。次にひとまず、「そうですか、分かりました。」と理解したことを伝えます。最後に自分の考えを冷静に述べます。その時心の中でこのような問題に直面して冷静に対応できるようになったことに対して、この問題と課長に感謝の気持をおこします。「課長、ありがとうございます。」そして更にここまで教育してくださった父と母に深い感謝の念をおこします。「お父さんありがとうございます。お母さんありがとうございます。」この言葉を心の中で何度も繰り返しましょう。感謝の言葉は怒り、腹立ち、憎み、ねたみ口惜しさの連鎖を断ち切り、その後の展開をあなたにとって最良の方向に導く魔法の言葉なのです。
あなたにおこるすべての悪いことをよいことに変える幸福の気ーワードは「ありがとうございます。」です。良いことも悪いこともすべての出来事を感謝の気持で受け切れば、悪いことの連鎖はそこで断ち切られて天下無敵の人生の勝利者となるのです。
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